指定文化財
日本最古の神明造(国宝)
神明造の建築物としては、わが国で唯一の国宝である。
本殿は、桁行3間、
御正体
(重要文化財)
銅製の円板に別鋳の仏像をとりつけ、あるいは手彫りするか打出した
木造棟札
(重要文化財)
仁科神明宮にある20年に一度の式年遷宮の際の棟札。一番古い南北朝時代の永和2年(1376)の棟札を始め、620年間33枚が残される。このうち江戸時代末安政3年(1856)までの27枚が指定されている。棟札の銘には造営の奉仕者をはじめ、奉公人、大小工、桧皮葺などの工人、また伐木から遷宮に至までの日時、経費などが記載されている。造営者は仁科氏の代々の領主、仁科氏滅亡後はその時の松本藩主。奉公人は仁科氏はじめ各氏の家臣。工人には金原氏の系統その他が記される。この記載から仁科氏の系統、その家臣、工人の系統などを読みとることができる。
仁科神明宮の
社叢
(長野県指定天然記念物)
指定区域の面積19,258平方m。スギ・ヒノキが主で、他にアカマツ・クリ・コナラ・ツガ・モミなどがあり、いずれも巨木・大木である。境内に入ってすぐ左の三本杉は、中1本を欠損しているが、目通り周囲5.70m・5.45m、樹高50mをこえ美しい。これを加えて境内には、幹囲2mをこえる巨木がスギ20数本、ヒノキが10数本生育する。巨木の茂る下木としてアブラチャン・カラコギカエデ・コシアブラ・サンショウ・ミツバツツジ・タラノキ・ナナカマド・ムラサキシキブなどが見られ、林床にはコブナグサ・タガネソウ・ミズヒキ・ミズギボウシ・ヤブタバコなどの草木が生えている。
古式作始めの神事
(長野県無形民族文化財 1990年指定)
平安時代末頃伊勢神宮の
太々神楽
(長野県無形文化財 1969年指定)
仁科氏時代から伝承されてきたといわれ剣の舞、岩戸神楽、五行の舞、水継、幣の舞、龍神神楽、道祖神の七座(明治以前はこのほかに”大蛇の舞”があった)で、いずれも神話に基づきて作られた神楽である。面、装束をつけて古式ゆかしい笛や太鼓の音に合わせて舞うものと、謡曲によって能楽を演じるものとがある。古風で簡素な中にも神厳優雅な気品を備えており、全国的にも類例のないものとされている。